暮れも押し迫った2022年12月。萩原本部長の元に、1本の連絡が入った。相手は壁谷周介チーム統括副本部長(45)である。「もしかしたらチャンスがあるかもしれない。経営のメンバーで検討しませんか?」。出場停止処分が明け、23年シーズンから復帰する見込みだったバウアーが、ドジャースとの契約最終年を残してリリースされるかもしれない。米国で流れたニュースを受け、即座に反応したのだ。
「年が明けたら本格的に検討しようかという話になった」
19年のこと。当時、球団の戦略部長だった壁谷氏は米国視察中にバウアーと知り合い、親交を深めていた中でDeNAのファーム施設「DOCK」に興味を示した。そこで、親日家でもあるバウアーが19年12月にプライベートで来日した際に同施設へ招待。“縁”のとっかかりを作った。その頃からバウアー側とチャットでのやりとりを続け、千載一遇の獲得機会をうかがってきた。前代未聞、現役バリバリのサイ・ヤング賞右腕が日本球界で投げるという、夢の「バウアー獲得プロジェクト」スタートの合図だった。
今年1月5日。年始のあいさつもそこそこに、ミーティングを開始した。正式なリリースを見据え、ド軍と3年総額1億200万ドル(当時約107億円)の契約を結んでいたバウアーへの、提示条件の検討に入った。金銭面はもちろんだが、DeNAにしかできない提案をするのが肝心だった。
「基本的な年俸、インセンティブ。それだけで本当に取れるのか。興味を引けるのか。選手でもあり、動画クリエイターでもあり、アパレルブランドの経営者でもある。スタジオ・ジムも自分で持っている。そういう彼に対し、我々が魅力的な球団であるためにはどんな提案をしたらいいのか」
年俸は出来高を含めて球団側が提示できる上限は4億円。それ以外の部分を整えた。球団初の個人ファンクラブの発足。バウアー自身がデザインしたアパレルブランド「Bauer Outage」の商品を球団が国内販売する提携契約など、球団として今までになかった試みが盛り込まれた。
「外部企業を巻き込みながら、全員で20~30人で(プロジェクトを)設計していました。情報統制? あまりに大きなお話すぎて、みんな怖かったんじゃないでしょうか。これが漏れたら困るんで、と言うと、『分かりました!』という反応が多かった気がします」
(全文はリンク先)
https://news.yahoo.co.jp/articles/55dd1a1f9e21e59545cb56b56ad11b3a5dedd3e5
令和のプロジェクトXならぬプロジェクトバウアーやな
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Source: ベイスターズ速報@なんJ