慣れ親しんだ空気が、肩の力を抜いてくれた。広陵時代に過ごした広島。「バスの中から外を見ると見慣れた景色が見られたので、すごく懐かしかった」。マウンドでは、変化球がさえた。新庄監督が「カットボールとチェンジアップが良かった」と評価した2球種だ。「今日は落ち着いて投げることができた。楽しんで投げることができた」。殊勲の左腕は、言葉通りの笑顔だった。
昨年11月の秋季キャンプから、険しい道を歩み始めた。稲葉GMに提案された「二刀流」。2日間悩んだ末、出場機会を求めて決断した。身長191センチ、50メートル走は5秒7の快足。高い身体能力から、かねて切望されていた。2軍では今季、安打はまだないが、外野や指名打者としても出場している。その経験が今、成果となって表れ始めた。「投げる方に、すごくいい影響が出ている」。野手心理を理解することで、マウンドで余裕が生まれた。
困難なチャレンジを続ける上原に導かれ、チームは6月初戦を白星で飾った。3月、4月は白星が遠かったが、5月は勝率5割。確実に上昇気流に乗りつつある。上原自身も、交流戦は敵地で2試合連続無失点と上り調子。中6日なら次回は本拠地・札幌ドームでの登板となる。新庄監督は「相当かかるでしょう」とDH解除には否定的だが、現在は先発陣の一角として奮闘中。最下位からの巻き返しへ、この1勝を原動力にする。
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202206010001250.html
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Source: ファイターズ王国@日ハムまとめブログ