【東スポ】巨人・菅野２連勝も…チーム内から高難度要求　年々減る完投数に「今年は中継ぎもたない」

阪神戦で７回３失点の力投を見せた巨人・菅野だが…（東スポWeb）

　エースが中継ぎ陣のオアシスになれるか――。巨人のエース・菅野智之投手（３２）が、１日の阪神戦（東京ドーム）で先発し７回３失点の粘投。チームは６―５で４連勝を飾り、６勝１敗で広島に並んで首位タイとなった。開幕２連勝を飾った右腕にチーム内からは「かつての完投能力の復活を」と、熱望する声が上がっている。　

　背番号１８は立ち上がりからエンジン全開だった。初回を３者連続三振と圧倒すると、４回まで７奪三振。その反動からか５、６回に失点したものの、７回１１３球７安打９奪三振３失点にまとめた。

　打線はキャプテン坂本の今季１号弾など２打点の活躍もあり、６得点とエースを援護。最終９回にルーキー守護神・大勢が大山に２ランを被弾して１点差となるも、最後は糸原を二ゴロに仕留めて５セーブ目。菅野が今季２勝目をマークした。

　原監督は「一つ勝つというのはね、厳しい。しかし、１点上回ったという価値ある勝利だと思います」と振り返ると、菅野には「やっぱり左バッターに対してもうひと工夫というか、もうひとパワーというか、そういうものは課題としてはありますね」と、さらに上の内容を求めた。

　そんな中、チーム内からは「今年のローテの顔ぶれを見たら、菅野が何試合に１回かは完投してくれないと、中継ぎが１年間もたない。以前はあった完投能力が、何とか復活してくれないものか」と、エースに完投を求める声が上がった。

　菅野といえば２０１８年に１０完投８完封をマークするなど、９年間で３９完投２１完封。１０完投が目安の一つとなる沢村賞にも１７、１８年と２年連続で輝いている。だが、ここ３年はケガもあって１９年３完投（１完封）、２０年３完投（３完封）、２１年２完投（１完封）と激減していた。

　今季のＧローテはトミー・ジョン手術から復帰した山崎伊と堀田、さらにドラ３右腕・赤星と、プロ初登板組がローテの半分を占める。好投しても６回前後で降板するケースが多く、そのしわ寄せは救援陣を圧迫。７戦ですでに畠、鍬原、大勢が５登板。今村が３登板ながら回またぎ１試合と負担は増している。

　投手リーダーである菅野には救援陣の疲労は常に頭にある。この日のお立ち台でも「最近、中継ぎのピッチャーが、選手がたくさん投げているので、何とか１イニングでも多く。今日の展開だったら８回ぐらいまで投げないといけない」と、反省した。

　ビエイラ、デラロサの両助っ人の不調に加え、昨季のセットアッパー中川、鍵谷がファーム調整中。菅野が完投することで救援陣に〝完全休養日〟を与えられる。「７回３失点という形ですけど、自分の中では満足していない。次は０点で終われるように、そういうピッチングを目指したい」と前を向いた菅野が、中継ぎ陣崩壊を防ぐためにも、次回は完投・完封を目指す。

 
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