【東スポ】来日初アーチの巨人・ポランコが備える〝和の心〟　日本への順応に不安なし

来日初アーチの巨人・ポランコが備える〝和の心〟　日本への順応に不安なし
チームスタッフからは「日本人みたいだな」と言われる巨人・ポランコ（東スポWeb）

　待望の一発だ。巨人の新助っ人、グレゴリー・ポランコ外野手（３０）が３０日のヤクルト戦（神宮）で、来日初アーチを放った。チームも３―１で連勝し、開幕から２カード連続の勝ち越しを決めた。バリバリの元メジャーリーガーが大成できるかの試金石が日本への順応。その点、ポランコには意外にも〝和の心〟が備わっているという。

　こう着状態を助っ人砲の一撃が切り裂いた。４回先頭の第２打席。ベテラン・石川が投じた初球の内角へのシュートを一閃すると、打球は右翼スタンドに弾丸ライナーで突き刺さった。これが出場５試合目、１６打席目で生まれた来日１号。ベンチに戻るとナインから背中をバコバコと叩かれながら祝福され「１号が出るまでは落ち着かないところはありますが、１本目が出ると楽になって後にも続いていくので、とりあえず良かった」と笑顔だった。

　パイレーツで長らく右翼手としてレギュラーを張り、メジャー通算９６発。本人は「ライナー性の強い打球を打つことを意識していて、ホームランを狙っているわけじゃない」というが、ひと振りで試合の流れを変えられる打力はやはり魅力だろう。

　そして、日本でもうひと旗揚げられるかのカギが順応力だ。原辰徳監督（６３）の目にはこう映っている。

「非常に貪欲ですよ。われわれのアドバイスというかね。メジャーリーガーにおこがましいぐらいのことがあっても、彼は聞く耳を持ち、取り組んでいる。まだまだ伸びる選手だと思いますね」

　実際、チームスタッフからは「日本人みたいだな」との声も上がっている。９日に合流して以降、打撃練習中にはこんなシーンもあった。ジャイアンツ球場でのひとコマ。滑り止め用のスプレーをグリップに噴きかけて地面に「ポ〜ン」と放り投げた。他の選手も次々と使用するため、球界では当たり前の光景なのだが、ポランコは何かマズいと感じたのか、すぐに拾い上げ、もう１本のスプレー缶の隣に立てた状態で並べ直した。

　また、一軍合流後にはこんな一面も披露した。試合前練習で２か所用意された打撃ケージを移動する際、ケージの背後に回ったポランコが突然ピタリと足を止めた。その理由は、ケージ裏から横川打撃コーチがケージ内に視線を送っていたためだ。メジャーの大物に対し、横川コーチは「どうぞ」のジェスチャーで自身の前を通るように促したが、結局ポランコは横川コーチの視線をさえぎる失礼のないよう、わざわざ背後を回って隣のケージに移動した。

　来日直後から「ハジメマシテ」「マタ、アシタ」といった日本語の習得にも興味を示し「ラーメンやすしも大好物。味付けから何から日本食は全部好き」というポランコ。この調子で打ち続ければ、人気にも火がつきそうだ。

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