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ラミレスの2021プロ野球総括セ・リーグ編
【阪神は来季、厳しいかもしれない】
――さて、今回からはラミレスさんに2021年シーズンを総括していただきたいと思います。前編となる今回はセ・リーグからお願いします。
ラミレス 前年最下位から見事に日本一に輝いたヤクルトが、今年のセ・リーグの主役であることは間違いないですが、開幕以来ずっと話題の中心だったのは阪神タイガースだと思いますね。
――今季の開幕前、ラミレスさんは「阪神優勝」を予想されていましたね。
ラミレス 投打のバランスが取れたいいチームだと判断したので優勝の予想をしました。投手陣が質・量ともに揃っていたし、それをリードする梅野隆太郎の安定感も増していましたから。そして、開幕からしばらくの間は私の思っていた以上に好調でした。特にジェリー・サンズと佐藤輝明は私の予想以上の活躍を見せましたね。前半戦から中盤にかけては、このふたりが打線のキーマンとして十二分に機能していました。
――しかし、シーズン中盤以降、ルーキーの佐藤選手は極度のスランプに陥りました。
ラミレス 59打席連続無安打という不名誉な記録も作ってしまったことで、矢野燿大監督が我慢しきれなくなりましたね。なかなか結果が出なくて厳しい時期ではあったけれど、この時期に矢野監督が我慢することができれば、チームは壊れなかったのではないかと考えています。
今年の阪神は優勝するべきシーズンでしたが、結果的にヤクルトに競り負けてしまった。まだ来季の補強段階ではあるけれど、クローザーのロベルト・スアレスが退団したことも含めて、来年はAクラスも難しいかもしれない。そんな気もしています。
【鈴木誠也の代わりはいる?】
――借金1ながら、シーズン3位となった読売ジャイアンツについてはいかがでしょうか?
ラミレス 開幕早々、新外国人のエリック・テームズが故障離脱したことで、いろいろと破綻が生じてしまいましたが、ジャスティン・スモークが在籍している間はチームとしての体(てい)をなしていました。でも、彼は家庭の事情でアメリカに帰国してしまった。両外国人選手の不在をベテランの亀井善行で補うのはちょっと無理があったし、現実的には難しかったと思いますね。その分をゼラス・ウィーラーがよく頑張ったけど、彼が調子を落とし始めた頃から、巨人の停滞も始まっていきました。
―― 一方で、岡本和真選手、坂本勇人選手はともに実力どおりの成績を残しました。
ラミレス 結局、今年も坂本と岡本頼みで、このふたりがチームを引っ張っていったけれど、それを支えるべき外国人は機能せず、シーズンを通しての丸佳浩の不振も痛かった。投手陣は、クローザーが固定できなかったのも大きかったですね。ヤクルトはスコット・マクガフ、阪神はスアレスがいた。クローザーの差が、順位の差になったとも言えるんじゃないでしょうか。
――シーズン終盤に強烈な追い上げを見せた広島東洋カープはいかがでしょうか?
ラミレス 前半、中盤までの戦いぶりを見ていたら、シーズン終盤のあの追い上げを予想できた人は、私を含めて少なかったと思いますね。それが可能になったのは、絶対的なチームの中心である鈴木誠也の存在があったから。まだ確定していないですけど、彼が来年アメリカでプレーすることになれば、その穴はあまりにも大きい。来年の広島はかなり苦戦すると思います。
――鈴木誠也選手の抜けた穴を埋める存在は誰が適任でしょうか?
ラミレス いないです(キッパリ)。現実的には、新外国人選手で何とかやりくりするしか方法はない。あれだけの選手の穴はそう簡単には埋まらないですから。阪神を退団したばかりのサンズなら25~30本塁打は期待できるので、ちょうどいい補強になると思いますけどね。いずれにしても、2022年シーズンは佐々岡真司監督の覚悟が問われるシーズンになるでしょう。
ラミレス 規定打席に到達していて、打率3割以上を打っているバッターが牧秀悟、桑原将志、佐野恵太、宮﨑敏郎と4人もいます。得点力もある。それで最下位というのはちょっと珍しいし、問題があるんだと思います。それはピッチャーであり、キャッチャーであり、バッテリーの問題ですね。
――今年のベイスターズのキャッチャーは伊藤光、戸柱恭孝、髙城俊人、嶺井博希選手など、多くの選手がいながら固定できませんでした。
ラミレス プロ4年目の山本祐大を積極的に起用する場面が見られましたね。将来を見すえての起用だということはよく理解できるけれど、キャッチャーに関しては「育てながら勝つ」というのは、とても難しいもの。ベテランキャッチャーとの併用で、育成との両立を図るしか手はないのかなと思います。
――そして最後に、リーグ優勝、そして日本一を決めたヤクルトについては?
ラミレス 就任2年目を迎えた高津臣吾監督の堂々たる采配が、今年のヤクルト躍進の要因でした。日本シリーズでも、大事な初戦のマウンドをプロ2年目の奥川恭伸に託し、続く第2戦を高橋奎二に任せるなど、「ここぞ」という場面でのブレない大胆な起用も目立ちましたね。まだまだ粗削りな部分もあるけれど、高津監督の下でチームがひとつになっている理想的なムード作りが成功した結果だと思います。
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Source: なんじぇいスタジアム@なんJまとめ