2週間ぶりに立った聖地の打席。今や、虎のヒットマンの代名詞とも言える「初球打ち」で、いきなりスタンドを沸かせた。初回、左腕・玉村の145キロ直球を奇麗に中前にはじき返した。得点にこそ結びつかなかったものの、勢いは加速。3回1死二塁で迎えた第2打席も、初球の外角寄りのスライダーを捉えて右前に運んだ。
瞬く間の2本で50年の藤村、86年のバースの59度を超えるシーズン60度目の複数安打。積み上げた今季177安打も同年のバース(176本)を上回り、球団の左打者では05年赤星(190安打)、金本(183安打)に次いで3位に浮上した。史上最強とうたわれる伝説の助っ人に負けない、新世代をけん引する背番号5の躍動。矢野監督も「自信にして良いんじゃないの。1年目より2年目、2年目より3年目っていう。その右肩上がりは、なかなかいかないんだけど、実際にやっているわけだから」と美しいほどの成長曲線に目を細めた。
4試合連続の複数安打と好調をキープ。それでも、チームの敗戦に喜びは多くない。リーグトップの安打数、打率1位も狙える位置でも、前日は「タイトルのことを考えてもあまり良い方向にも働かない。残りの試合に全部勝つことができるように」と宣言していた。個人記録には目もくれず、この夜の2安打もあくまでチームの勝利のために、最善を尽くした結果に他ならない。
9回は2死一、二塁で遊ゴロに倒れ、最後の打者になった。2つともした「H」ランプに満足するより、勝負どころでの凡退を糧にする。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0b65ccc5926fe7a06566f3633bbec0993f381e1
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Source: 虎速