栗山監督、中田の暴力問題にショック隠せず「こっちの心も察してくれ。何を喋っていいのか分からない」

日本ハム・栗山英樹監督（６０）は中田翔内野手（３２）がチームメートへの暴力問題で処分を受けてから一夜明けた１２日、報道陣に対して「こっちの心も察してくれ。何をしゃべっていいのかも分からない。何かしゃべる立場なのかどうかも含めて」と複雑な心境を口にした。

中田は４日のエキシビションマッチ（対ＤｅＮＡ、函館）の試合前、会話中に突発的に腹を立て、暴力行為に及んだ。被害を受けた選手が球団に報告し、試合中に球場から退場。謹慎を命じられた。球団は１１日に１、２軍全試合の出場停止処分を科したと発表した。

チームはこの日、後半戦最初のソフトバンク３連戦に向けて、ペイペイドームで全体練習を行った。選手の元気な声が響く中、指揮官の表情はいつになく厳しかった。

栗山監督は２０１２年の就任１年目から中田を４番で起用。「翔を日本一の４番にする」と絶対的な信頼を寄せてきた。開幕から打撃不振が続いた今季も復活を信じ、何度も話し合いを重ねた。４月７日のソフトバンク戦（札幌ドーム）で空振り三振を喫し、ベンチでバットをたたきつけて折った際には「ベンチでやるな、後ろでやれと言っている。不愉快な人もいる」と苦言を呈したが、全ては中田への愛情の裏返しだった。

遠くを見つめながら、「もう少し時間をくれ」と語った指揮官。後ろ姿からもショックの大きさが感じられた。（石井孝尚）
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